スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  web拍手 by FC2 (お礼SSあり) 

戴きもの (14)


またまた素敵な作品を戴いてきちゃいました

思考の森の旅人 めいさま宅より

117万打記念フリー作品 『遅すぎた食育』

思考の森の旅人 さまは私が以前より読み逃げをしているサイト様のおひとつでして

素敵作品が沢山あります  今回のお持ち帰り作品も素敵です 

小細工している蓮が可笑しいです 

当、ヘ/ン/タ/イ/ブ/ロ/グ/に載せるのをご快諾下さっためいさま

ありがとうございます  続きを読むよりご堪能下さい  










 







117万打記念フリー作品 『遅すぎた食育』








「…野菜の日?何ですか?それは」

次の現場へと移動中唐突に社が出してきた話題に、蓮は運転しながら首を捻った。

「『831』は『やさい』とも読めるだろう?
それで8月31日を農業や食生活に関しての啓蒙活動を広める日として、
その前後に農水省とか文科省とかが後援で、全国各地で色々なイベントが開催されるそうだ」

「はぁ…、そうなんですか」

何かの受け売りらしい社の台詞に蓮が生返事を返すと、社が面白がる様な顔つきで続けた。

「それでだな…、実は8月27日にキョーコちゃんが司会を担当するイベント会場が、
同じ日にお前がロケをする現場の激近だって事が分かってな~」

そこまで助手席からニヤニヤと蓮の顔を覗き込んでくる社に、
蓮は前を向いたまま軽く溜め息を吐き出す。

「…どうして担当以外の人間のスケジュールまで把握してるんですか」

すると社は如何にもわざとらしく声を上げた。

「えぇ~?分からないのか~?せぇっかく暑い中頑張ってるであろうキョーコちゃんに、
差し入れでもと思ったんだが、俺だけ現場を抜けて行ってくるか~」

「…俺も行きますよ」

もて遊ばれているのを十分に理解しながら小声で呟いた蓮だが、
社から容赦ない突っ込みが入る。

「あぁ?蓮、今『俺《も》行きます』って行ったか?
『俺《が》』行きます』じゃなくて良いのか~~?」

「……社さん」

「な~にを差し入れに持って行こうかな~」

若干低い声で窘めたつもりが、全く堪えていない様子の社に、
蓮ははっきりしっかり声に出して告げた。

「社さん」

「なんだ?」

「……俺が行きますから」

「えぇ?何か言ったか~?蓮」


(やっぱり遊ばれてる…)
耳に手をやってニヤニヤ笑いが止まらない社を横目で見ながら、
蓮は再度深い溜め息を吐いたのだった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そしてイベント当日。会場の某ショッピングモールの業務用通路を、
キョーコがブツブツと呟きながら歩いていた。

「はあ、つっかれた~。次は二時間後だから、今のうちにお昼を済ませ」

「こんにちは、最上さん。暑い中頑張ってるね?はい、差し入れ」

「つ、敦賀さん!?」

控え室となっている一室のドアを開けた途端、
その中に存在し得ない先輩の姿を見つけたキョーコは、慌てて中に入ってドアを閉めた。

「どうしてここに居るんですかっ!」

狼狽著しいキョーコとは対照的に、
蓮は笑顔を浮かべながら予め準備しておいた台詞を余裕で述べる。

「この前事務所で椹主任に会った時、ここのイベントの話を聞いてね。
俺、今日はこの近くでロケだから、ちょっと顔を見ていこうかと。
そうしたら親切なスタッフの方が『京子さんの出番はもうすぐ終わりますから、
良かったら控室の方でお待ち下さい』って案内してくれて」

「そんな…、いくら近くに居るからって、
わざわざ顔を出される必要なんか無いじゃありませんか!」

(それに…、案内してくれたスタッフって絶対女性よね?
従業員の人達が大挙して押し寄せてくる前に、早目に敦賀さんにはお引き取り願わないと…)

そんな風に内心動揺しまくっているキョーコの気を逸らそうと、蓮はさり気なく話題を変えた。

「それはそうと…、さっきチラッとイベント会場を見せて貰ったんだけど、
なかなか盛況だったね。クイズに子供達が競って参加していたし」

「そうですね。最近は幼稚園とか小学校でも食育が盛んで、子供達も耳にする事は多いみたいで」

「しょくいく?」

自分が出した話題にキョーコが乗ってきて安堵した蓮だったが、
耳慣れない単語が出て来た為、オウム返しに問い返した。

「敦賀さんは初めて聞きましたか?…簡単に言うと、
調理方法や食材名の知識だけじゃなくて、それに関わる栄養学や食文化や、
農業分野まで幅広く纏めて捉えて、教育していこうという方針の事なんですけど」

「へぇ…、そうなんだ」

説明を聞いて素直に頷いた蓮だったが、
その様子を見たキョーコはクスッと笑いながらからかう様に言い出した。

「敦賀さんの普段の食に関する意識の低さからすると、
その分野での『再教育の必要性あり』かもしれませんね?」

そしてとうとうクスクスと笑い出してしまったキョーコに、蓮が苦笑いを漏らす。

「酷いな、自分がそこまで劣等生だとは思いたくないんだが」

「じゃあ試してみますか?敦賀さん、あと五分程度、時間に余裕はありますか?」

「勿論大丈夫だよ。何だい?」

するとキョーコは周囲に雑然と積み上げられていたイベント用の備品の中から
一枚の紙を取り出し、いそいそとボールペンを添えて蓮の前へと押しやった。

「これは会場で小学校高学年向けに配布している、食育に関するクイズ用紙なんです。
ちょっと解いてみませんか?」

「望むところだよ。五分以内に書けば良いんだね?」

「はい」

笑顔で頷いたキョーコの顔から視線を動かし、蓮は用紙に目を通した。

(さて…、どんな問題かな…)

そして、すぐに戸惑った顔付きになる蓮。

(『次の食材について、当てはまる分類の数字を書きなさい』?
体を作る・調子を整える・エネルギーを生む…、米はともかく、バターや胡麻って…)

ボールペンを握ったまま動きを止めた蓮に、キョーコはさもありなんと密かに溜め息を吐く。

(『左の野菜の旬の季節を、右の選択肢と線で結びなさい』って…、
旬ってそれが出回って美味しい時期だよな?だけど、
この野菜はどれも一年中出回ってないか?)

意外に難しい内容に、自ずと顔が真剣になってくる。

(『次の特徴に当てはまる農法を下から選びなさい』…、
有機農法、無農薬農法、水耕栽培、LED栽培…。説明が微妙に似ている箇所が…)

「………………」

「敦賀さん?」

「あ、ああ、今書くよ」

微動だにしない蓮にキョーコが幾分心配そうに声をかけると、
蓮は慌ててサラサラとボールペンを走らせた。

「…これでどうかな?」

大して時間をかけず、しかしどこか恐る恐る蓮から差し出された用紙にザッと目を通した
キョーコは、ガクッと机に両腕をついて項垂れた。

「敦賀さんっ………」

「え?ど、どうかしたかな?」

ヒクッと顔を引き攣らせながら問い掛けた蓮に、キョーコが勢い良く顔を上げて詰め寄る。

「どうかした?じゃありません…。どうしてここまで壊滅的なんですか?」

「そんなに間違ってたかな?」

「殆ど全滅です!普段のぞんざいな食生活から考えて、
高得点は出ないと思っていましたが…、猛省して下さい!」

「うん、申し訳ない」

「私に謝っても仕方ありませんよ、もう…」

勢いに任せて叱りつけたキョーコに、蓮も神妙に頷く。

それ以上強く怒れないキョーコがブツブツと呆れながら文句を言っていると、
顔を上げた蓮が唐突に申し出た。

「じゃあさっき言った様に、最上さんが俺を再教育してくれる?」

「はい?」

意味を捉え損ねたキョーコが首を傾げると、蓮は笑って話を続けた。

「食育に関する話。今後変な所で恥をかくかもしれないし、
この際色々勉強してみようかと思って」

「はあ…、それは構いませんが、具体的にどうすれば…」

「最上さんが時間がある時、俺にさっきのクイズみたいな物を作って、俺にメールで
出題してくれる?それを俺が返信するから、それについて解説してくれたら嬉しいな」

「なるほど、こまめに少しずつ気をつけていれば、結構できるかもしれませんね」

「さっきも言ったけど、本当に時間のある時で良いからね?」

「分かりました。お任せ下さい!頑張って敦賀さんの再教育係を務めさせて頂きます」

「宜しく」

やる気満々になったキョーコに愛想良く笑いながら、
蓮は(これで彼女とのメールのやりとりが増えるな)などとかなり不純な事を、
1人密かに考えていたのだった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そして翌日、楽屋で休憩時間にキョーコからメールを受けた蓮は、早速中身を確認してみた。
すると簡単な挨拶文に続き、幾つかの問題が書かれている。

それを見た蓮は、機嫌良くそれへの返信を打ち始めた。

(流石にまめだな…、結構問題数があるが。
『ちゃんと正解を調べて返信して構いませんよ?まずこういう事柄について
興味を持つ事が重要なんですから』って書いてあるけど、下手に正解ばかり回答すると
『もうこんな問題を出す必要はありませんよね?』って安心して、
速攻で終了させられそうだから…)

そんな事を考えながら手早く携帯で文章を打ち込み、キョーコへと返信した。

そして上機嫌のまま時間を潰していた五分後、
再び着信したキョーコからのメールをいそいそと確認した蓮は、
携帯を握り締めたままガクリと項垂れた。
急に様子が変わった蓮に、一部始終をすぐ傍で見ていた社が、何事かと声をかける。

「おい、どうした蓮。さっきも今もキョーコちゃんからのメールだよな?
さっきは凄く機嫌が良かったのに、どうしたんだ?」

「いえ、あの……、本当に大した事はありませんから」

「とてもそうは見えないんだがな…」

暗く答えた蓮に、社はいまだ蓮の手に握られている携帯に不審な目を向ける。
実はそれにはキョーコから、先程送った回答について
《敦賀さん、実はあれから予習してましたね?調べる時間なんか無い位に早く、
全問正解してくるなんてさすがです。これなら私が一々細々と送らなくても大丈夫ですね?
自主学習頑張って下さい!》と送信されてきていた。

(どうして全問正解……、俺はわざと全問誤答したつもりだったのに……)

下手な小細工を弄した為に却って裏目に出てしまった蓮は、
結果として無駄に終わった事と自分の知識の無さに愕然とし、
浮上するまでにかなりの時間を要したのだった。


2010.09.03
















スポンサーサイト
  web拍手 by FC2 (お礼SSあり) 

コメントの投稿

非公開コメント

フリーエリア
hyoujyu_banner.jpg
ド素人のスキビブログ18禁@氷樹


・*:..。o○☆*゚・*:..。o○☆*゚・
応援しています。
2012年発行合同誌【百花繚乱様と光の箱庭様のダブル主催】 2012夏企画
サイト管理:光の箱庭@惣也 さま。

・*:..。o○☆*゚・*:..。o○☆*゚・

敦賀くんぶっかけ祭り


秋と言えばまつり!!
神ご所望により御所にてまつり開催中!!
もちろん年齢に達していないお嬢さま方はイっちゃだめよ!!

プロフィール

hyojyu

Author:hyojyu
氷樹といいます。
北の大地に生息しています。
蓮×キョ好きです。

最新コメント
最新記事
月別アーカイブ
最新トラックバック
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
Mail
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。