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my better half 前編



2010年9月1日 摩訶不思議之國*借虎威* 苳蕗じゃらしさま宅に載せて頂いた


『 my better half 』を加筆・修正したものです。

安南監督・尚・祥子・レイノ・少女など適当なオリキャラなどが

登場してきますので、苦手な方はお引き返し下さい。
















アノ娘デモナイ……コノ娘デモナイ……ドコニ、ドコニイルノ?

片羽ジャ飛ベナイノ……見ツケタ!? 見ツケタワ……ワタシノ、半……分!!








すっきりしない天気が続く都内の某スタジオで

ドラマBOX―“R”の撮影が着々と行われていた。





『ユ~~~ミカ~~~? あんた頭悪いの!? つまらないコトしてんじゃないわよ!?

言っておくけど、プレイレベルが5以下だと感じた時点であんたに鞍替えするわよ?』




『そんな……あたし達、仲間 でしょう!?』





縋るようなユミカの視線にナツは瞳を細め酷薄な笑みを浮かべた。





『仲間? ……あっは、あんたなんかあたしの手駒の一つよ? 大好きな、ね?』




『……っ』





冷めた視線を食らいユミカは蒼白になり、がくがくと足を振るわせた。





「カーーット!!」




「いやーーー!! 今日も良かったよーーー!!

スゴイ良かったよーーー!! 日に日に“ナツ”良くなるね!!」




「ありがとうございます」





親指を立て嬉々として駆け寄る安南監督にキョーコは、そつがなくクールに受け流す。

スタッフと小さなモニターを囲み、一通り見直した安南が大きく肯き安堵の空気が流れた。 





「よし!! ここはこの儘行こう。

あと、明日・明後日のロケ、やっぱり中止になったから三日後からまた頼むよ!!」





安南は顎の髭を触りながらモニターと台本を交互に見合わせながら

次回以降のスケジュールの確認して行く。





「は……い、了解しました。 今日はどうもお疲れさまでした。 お先に失礼します」





キョーコは、“ナツ”らしく軽い会釈をしてすっとスタジオを後にする。





「ほんと、キョーコちゃんって役に入ると纏う雰囲気までがコロっと変わるよな」




「そうそう、すっかり“ナツさん”だし」




「簡単に抜け切れないのも女優だね、来た時と全然違うものな」




「ほんと、ホント……」





そんなスタッフ方の気楽な会話を気にも止めずに

キョーコは宛てがわれた自分の楽屋へと向かう。

パタンとドアを閉め備え付けの大きな鏡を覗き込み、口角だけを上げて微笑んで独り言ちた。





「さ て……と、馴染んで来たかしら?」





その夜、蓮は人気俳優の名に相応しく日付が変わる頃まで忙しく仕事をこなし、

疲れた身体を引き摺りひっそりとした自宅に戻った。

熱いシャワーを浴び一息吐いた頃、

部屋の静寂を破る携帯の着信音が広いリビングに鳴り響く。

着信を知らせる画面の表示には社の名前が映し出されていた。





「はい、もしもし? 何か連絡漏れでもありましたか? ……え!?」





電話の向こうの社の声に蓮の形の良い唇が僅かに震える。

大きな身体からふっと力が抜けた気がした。

ゆったりとした上質な革のソファーに力なく座った蓮の掠れた声が重々しく広がった。





「最上さんが……行方不明!?」




『そうなんだ。さっき、下宿先の女将さんから帰りが遅いって椹さんに電話がきてさ。

訊く所によるとキョーコちゃん、今日のドラマBOX―“R”の収録後から

連絡が取れてないって言うんだよ。 まさか……と思うけど

お前の所に来ているとか、何か連絡とかってあったか?』




「いいえ、残念ながら来てもいませんし、連絡もありませんね。

琴南さん……でした? 最上さんの友達の処には連絡とか無いんですか?」





蓮は一縷の望みをかけて尋ねたがその答えは安堵を齎(もたら)すものではなかった。





『ああ、今のトコロ無いみたいだ。 何でもなければ良いんだが

キョーコちゃんそう言うことする子じゃないから……

俺の考えすぎじゃなければ良いんだが……

もし連絡取れたら下宿先の女将さんと椹さんに電話するように伝えてくれるか!?』




「分かりました……すみませんが、最上さんから連絡があったら

俺にもスグ電話欲しいんですが……」




『ああ、勿論だ!! 余計な心配掛けてすまないな。

けどどうも気になってさ。 じゃあな、おやすみ』




「はい、おやすみなさい……」





社との通話を切ると蓮はキョーコへと通話ボタンを押してはみるが、

案の定それは繋がらなかった。

電話口から聞こえる無機質な応答に心の奥底から湧き上がる不安感。

心臓が掻き毟られるように感じ、背中に冷たいモノが流れる。

繋がらない携帯を握り締め窓の外の夜景を見遣りぽつりと呟いた。





「最上さん、一体……どうしたんだ……!?」





その夜、蓮はキングサイズのベッドに身体を横たえては見るものの

結局一睡も出来ぬ儘翌朝を迎えた。

キョーコからの連絡を待つ携帯をポケットにしまい込み予定の時間よりも早く

社を迎えに行くと疲労の色の濃いその表情からやはり彼も同じ状況らしかったことが伺えた。





「やっぱり何も連絡無かったな……

椹さんや上層部と相談したんだが、明後日のBOX―“R”の収録があるからそれを待って

連絡が無ければ警察に届けるようにすると言う事になったよ」




「明後日まで待つんですか!?」





蓮が苛付いた口調で社に詰め寄った。





「ほら、仕方ないだろう? 

もう一応自分で判断出来る年齢だし、誘拐だと言う確たる証拠も無い。

万が一誘拐だとしても事務所にも下宿先にも何にも連絡が無ければ手の打ちようが無いよ」




「けど、あの子はそんな子ではないでしょう!? 過去にストーカーの被害もある訳だし!!」




「しかし、この位の状況じゃ警察は動いてくれないよ?」




「……」





社の真っ当な指摘に蓮は押し黙るしかなかった。





「……今日の仕事、キャンセル出来ないですよね?」




「蓮、落ち着けよ。 心配しているのはお前だけじゃないんだ……

仕事キャンセルしたってどうやって探す気だ!? 

取り敢えず、明後日までかその前に連絡が来るのを待とう」




「そう……ですね」





押し潰されそうな思いを胸に抱き、

蓮はステアリングを握り締め今日の仕事場へと車を走らせる。




ともすれば、キョーコの事で占められてしまう意識は

今まで築いてきた意地とプライドで仕事脳へと切り替えた。

常に無いぴりぴりした雰囲気を醸し出す蓮に共演者達も近付こうとしなかった。

視界に過ぎるキョーコと似たような背格好の女の子を眼で追い、

暇があれば携帯をチェックして一日を過ごした。





「まだ連絡がありませんね……」




「ああ、どうしているんだろう? 兎も角無事で居てくれれば……」




「一応、事務所に寄ってみますか?」





すっかり日が暮れてもキョーコの足取りは疎(おろ)か連絡も取れ無い儘で、

時は無常に過ぎようとしていた。

今日と言う時間は、蓮と社の其々に何年分の寿命を縮め胃痛を与えただろうか? 

憔悴の色を浮かべながらも移動の為共に地下駐車場へと向かうと

蓮の高級車のボンネットの上に似つかわしくない紙袋が置いてあった。





「???」





袋に手を伸ばそうとした時、少し離れた暗がりに動く気配を感じ蓮は身構えた。





「キ……ミ、は……っ!!」




「VIE GHOUL……?」





蓮と社が同時に口を開く。





「久しぶりだな……ライオンさん」




「……何の用だ?」




「そう恐い顔で睨むなよ……ホントは俺だってあんたには会いたくなかった」




「…………」




「けど、今回はキョーコが絡んでいる以上仕方ない」




「「っ???」」





レイノの口から発せられた単語に蓮と社は息を詰めた。





「どうやら、キョーコの身体が憑依されたらしい」




「憑、依???」




「昨日の真夜中、都内の移動先で可愛い子ちゃんがふわふわと浮遊しているのを捕まえた。

そうしたらキョーコの意識がぷっつりと途絶えた」





レイノのから告げられた半信半疑の内容に、

蓮は数日前キョーコから相談されたことを思い起こす。





―――『敦賀さん、今まで様々な役を演ってこられたと思うんですが、

    入り込んだって言うか……役が憑いてなかなか抜けきれない時ってありますか?』




   『うん、勿論あるよ? 感情が入り過ぎるとね』




   『私も一端(いっぱし)ながら偶にあるんですが、

    今回のナツはちょっと違うんですよね……

    何て言うか、ほんの少しなんですけど時々自分の行動が

    全然覚えていなくって……アブナイですよね』




   『そうだね、感情移入は大切だけど役に乗み込まれないように気を付けないとね』




「(確かにそんな会話を交わしていたが……!?) ……っ」




「心当たりありそうだな……」





蓮の変わっていく表情を見て、レイノはくっと右の口端を歪めた。





「その紙袋の中に水と何枚かのコインが入っている」





蓮と社はゆっくりとそれに視線を移す。





「水は俺が浄化した△△の水だ、飲ませてくれれば良い。

コインは札みたいなもんだ、額か身体の何処かに貼っつけて護符代わりに持てばイイ。

そうすれば、キョーコの身体に暫く入り込むことも無いだろう」




「し、ばらく……!?」




「ああ、一度憑依された人間は暫く憑依されやすくなるからな……

俺が戻ってくる間までは持つだろう」




「何処かへ行くのか?」




「どうしても外せない仕事でこれからNYへ行かなきゃ行けない……

本当は俺が探しに行けば手っ取り早いものをだからアンタに頼みに来た」




「君に頼まれなくても何とかする気ではいたがね……」




「ふっ、キョーコは渋谷の□□界隈にいる筈だ」





一通り伝い終えたレイノは背を向け、闇に潜ませた車に向かい歩き出した。





「……分かった……が、暫くって!?」





背中に突き刺さるような蓮の視線と苦々しく絞り出された声に

レイノがその歩を止めゆっくりと踵を返した。





「……」




「君じゃなきゃ、最上さんへの憑依は防げないのか?」




「……いや、そうでもないが……その霊に相当痛いメを見せないと無理なだけだ。

出来るのか? あんたみたいなフツーの人間に?」





そう告げるとレイノは不敵な笑みを浮かべて車に乗り込み消えて行った。





「……蓮、どうする? 今のハナシ信じるのか?」





社の眉唾物を見る眼つきに蓮は深い溜息交じりに答えた。





「仕方が無いでしょう。 今の俺には藁をも縋るしかないですし、

それにちょっと気に掛かる事もあるんで取り敢えず渋谷まで行きます。

すみませんが社さんも一緒に行って探して貰えますか?」




「勿論、一緒に行くつもりでいたよ」





社の心強い同意を得て蓮はアクセルを踏み込み、車を勢い良く走り出させた。
















※※※※※※
















新曲のPV撮影の為、新宿の某界隈を訪れていた不破尚はロケバスで待機中に

ふと近くのビルに入っていく人影を見つけ立ち上がり、凝視した。





「きゃっ!? 尚!? どうしたの!?」




「(あれは!?) ……祥子さん、悪ぃ……俺、ちょっと出てくるわ」




「えっ、尚……あなたがココに居るってバレたら大変なのよ!! 

もうすぐ撮影に入るんだから、大人しくしていなさい!!」





煙草を燻らせている祥子の傍で急に立ち上がり慌てて出て行こうとするのを諌めるが

尚は一歩早くその横をすり抜けて降りて行った。





「尚!!」




「大丈夫、そんなヘマしないから。 スグ戻るよ!!」





祥子の叫び声に尚は手を振り駆け足で目的のビルに向かった。

薄暗い長い廊下の突き当たりを左に行き、階段を降りる途中で洩れ聞こえる

激しいリズムの音楽と共に尚は目的の人物を見つけ、その細腕を掴んだ。





「キョーコ!? お前こんな所で何してんだ?」




「痛いわね!! 誰よ、アンタ?」





捕まれた腕を力一杯に振り解きながら此方を睨む少女のその顔は

今まで見たことも無いような嫌悪な表情を浮かべていた。





「……キョー、コ?」





今までどんな対峙をしてこようとも

向けられる事が無かった強い拒絶の眼差しを受け尚は動揺する。

況してや幼馴染のキョーコなら絶対着る事の無いホルダーネックのすっきりとした

身体のラインを強調するミニのワンピース姿が尚の動揺を更に煽っていった。





「キョーコ!? アタシのこと? このコの知り合い!? ちょっと待ってよ……ぅうん??」





自分の事をキョーコかと確認した少女は怪訝そうに整った眉山を寄せ一寸考え込み、

中身がキョーコ本人であれば絶対に告げる事の無いコトバを口にした。





「あぁ、分かったわ、アンタ……不破尚ね? なーるほど、芸能人の不破尚なのね……

実際間近いで見るとイイ男ね?」




「あん!? 今更何言ってんだ、オマエ!? なんだか変だぞ!? 

その格好と言い、この場所に来ていると言い……撮影でもなさそうだし、

何か変なモン食ったのか?」





キョーコの滅多に無い誉め言葉と少女の容貌に内心の動揺を隠すように

尚はいつも通りの軽口で返す。





「別に、何にも……? 寧ろアンタの方がこのコに変なんじゃないの?」




「なっ、何を言っ……」





少女にニヤリと微笑まれ尚は狼狽えた。





「昨日ね、このコとシンクロしたのよ。だからこのコの深層心理ってやつかな!? 

分るのよ……だからねぇ……アンタ勃つの?」




「へ?」





少女から突然に告げられた意味不明の意図に尚はコトバを失った。

その様子を見て少女は瞳を眇め更に雰囲気を豹変させていく。

ゆっくりと一歩を踏み出し、ナツのような未緒のような独特の孤高の王者たる風格を纏い

獲物を仕留めるようにじりっと尚に歩幅を詰めて行く。





「な……なん、だよ?」





少女は尚にぴったりと身体を寄せ口角だけを上げ尚の上着の襟元に手を伸ばし、

ぐっと端麗な顔を引き寄せた。





「キョーコ……?」





お互いの吐息が掛かるほどの近さでうっとりとしたような恍惚の笑みを浮かべ

愛を告げるように少女は辛辣なそれを投げ付けた。





「ねぇ……アタシ相手に勃つのか?って訊いてんのよ!?  ……ムリでしょう? 

ムリよね? このコだってアンタ相手にはヤれないって思っているわ。

しつこく付き纏ったっても抱きたいワケじゃない。

アタシと言う遊ぶのに飽きて忘れ去られた玩具をダレかに穿(ほじく)り返されて

起きた癇癪みたいなものだもの……

ひどい歪んだ独占欲で笑っちゃうわよ。 ねぇ、ショウちゃん!?」





少女は口元を歪め楽しげに吐き捨てると、

微動だに動けずにいる尚の身体を勢い良く突き放した。

その際に尚のポケットから抜き取った財布をまるで赤ん坊をあやすように

ヒラヒラと振って見せつけ、中身を抜き取り始めた。

一枚・二枚と数えながら視線は冷ややかな儘口元には恐ろしいほどの無慈悲な笑みを浮かべ、

より痛烈な最後通牒を突き付ける。





「ほとほと迷惑しているのよ? 二度と構わないで頂戴!!」





過去、自分だけを見つめ心を砕いていてくれた存在。

最近悪態を吐かれても自分のモノだと疑わなかった存在……

なのにそれが今、掏摸(すり)のようなえげつない真似をして

金を抜き取ると言う有り得ない行動をした。

しかも一瞬の隙さえ近寄ることを拒否し、自分を迷惑な存在とさえ言い放った。

戻ることは無い……その現実の眩暈に襲われ、

身体中の血液がざあっと引いていくのが分かった。

背中に流れる嫌な汗を感じながら自らの手を強く握り締め、

その場に崩れそうになるのを意地で耐えて尚は漸く口を開いた。





「きょ……おま、え……ダレだ?」


「さぁ?誰でしょうね? ……ふっ、あはは……じゃあね、幼馴染サン。

ケチが付いたから今日はココで遊ぶは止めたわ」





尚は空になった財布を投げ返され悠然と去っていく

その後姿をただ呆然と見つめているしかなかった。




















近々続きうpします (`・д・´)キリッ
















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